コラーゲンの人工皮膚
コラーゲンゲルの被覆
皮膚にできた大きな傷口ややけどに、コラーゲンでできたガーゼのようなシート状にかためたカバー材が用いられています。
皮膚は水を含めていろいろな成分の漏出を防ぎ、外部からの細菌感染や侵入・増殖を防ぐ役割をはたしているので、傷口をコラーゲンのカバー材で被覆するわけです。
そして、傷の治癒を早めたり、痛みを抑えたりするために適当な薬剤を塗布します。
このような生体にそなわる治癒機能を促進するには、コラーゲンが有効なようです。
傷というほどではない剃り跡やちょっとした摩擦によってできた肉刺など、表皮のかわりになるような塗布剤として、コラーゲンの濃厚溶液、ゲルを用いれば効果的かもしれません。
コラーゲンでできた人工皮膚の開発
コラーゲンを使った人工皮膚が考え出されました。
コラーゲンとコンドロイチン硫酸からできたスポンジをつくり、片方を水分の蒸発を防ぐためシリコン製フィルムでおおいます。スポンジにはたくさんの穴があるので、細胞や血管が入りこめるようになっています。
スポンジの中に患者さんからとった表皮の基底細胞を植え、皮膚の傷にはりつけます。表皮細胞はスポンジの表面、シリコン膜の下に移動して増殖し、表面を形成します。
一方、スポンジ内には線維芽細胞や血管が進入して、スポンジのコラーゲンが分解吸収されると同時に新しいコラーゲンが合成され、やがて真皮が再生されます。
コラーゲン製人工皮膚への期待
その後、表皮細胞をあらかじめスポンジの上に培養する方法が考え出されました。
活発に増殖している表皮細胞を植えると1週間程でスポンジ全面に増殖するそうで、この培養人工皮膚を傷に適用すると、培養表皮層は天然の皮膚の表皮と融合し、傷がふさがったそうです。
さらに進んだものとして、コラーゲン線維でできたゲルと線維芽細胞をまぜて培養します。コラーゲンゲルはだんだんと分解吸収され、コラーゲン線維が密集した真皮そっくりの構造になります。
人工皮膚はまだまだ研究段階ですが、将来は早く、確実に、そしてきれいに傷の治療ができるようになることが期待されます。
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