コラーゲンはなぜ保湿効果が高い?その理由
コラーゲンは親水性
このようなタンパク質分子を加熱すると、立体構造がこわれ、内部にある疎水性の側鎖が表に出てきます。そして、となりの分子の疎水性の側鎖とくっつきます。
たくさんの分子がこのようにして集まり、固まって沈殿していきます。ところがコラーゲン分子の場合は少し違っています。
まず、コラーゲン分子は親水性の側鎖をもつアミノ酸が多く、疎水性の側鎖をもつものが少ないのが特徴的です。
コラーゲンを構成するアミノ酸の3分の1はグリシンです。グリシンの側鎖は非常に小さいため側鎖の影響が弱く、親水性のアミノ酸ということになります。
また、コラーゲンの中には最も疎水性の高いトリプトファンが全く含まれていませんし、次いで疎水性の高いフェニルアラニン、チロシン、イソロイシン、ロイシンなども少ししか含まれていません。
コラーゲンはなぜ保湿効果が高いのか
さて、独特の三重らせん構造をもっているコラーゲン分子ですが、この三重らせん構造で3本のポリペプチド鎖にあるグリシンが、交替に分子の内部に位置してできています。
側鎖の小さなグリシンだから、こんなことができるのです。三重らせん構造をつくりあげるのに、グリシン‐X‐Yのくり返し構造が必要な理由がここにあります。
コラーゲン分子では、親水性であるグリシンが分子の内部にあることになります。反対に、少数ではあるが存在している疎水性の側鎖が、分子の表に出ていることになります。
そうすると、水の中ではこの疎水性の側鎖は、水をさけようとしてとなりの分子の疎水性の側鎖とくっつきます。
これが、コラーゲン分子が線維をつくる力の1つになります。
熱でコラーゲンの三重らせん構造がこわれゼラチンになると、表にでてくるのは親水性のアミノ酸であるグリシンのみです。このように、ゼラチンが水によく溶ける理由は説明できます。
コラーゲンが保湿効果をもつ理由
コラーゲン分子は、細長い棒状の形をしています。棒状であることは表面積を大きく取ることができ、同じ体積の球状に比べて、およそ4倍になるそうです。
表面積が大きく、たくさん親水性の側鎖があるコラーゲン分子は、十分に水の分子をまわりに吸着することができます。これが、コラーゲンが大きな保湿効果をもつ理由です。
しかし、三重らせん構造がこわれたゼラチンでは、保湿効果は弱くなると考えられます。また、会合して線維をつくってしまった分子でも、保湿効果は弱くなりそうです。
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